■有鼻遺跡・有鼻古墳群
有鼻遺跡には、後期旧石器時代に相当する地層は遺損しておらず、いずれの石器も後世の攪乱によって、原位置を遊離した状態で出土したものである。したがって、所属時期が同一であるという前提はない。
有鼻遺跡で出土した縄文時代の石器のうち、有舌尖頭器は草創期のものである。尖頭器は時期を特定するのが難しいが、縄文時代後期以降の西日本では、ごく稀にあることから、石鏃とともに中期以前に属する可能性がある。
有鼻遺跡の弥生時代集落は、弥生時代中期後半に限った短期間に営まれている。また、同一丘陵上に存在する周辺の高地性集落も同時期のものである。
古墳群の築造時期は、第2号墳の範囲確認調査の際に墳頂および古墳を区画する周溝から6世紀前半の須恵器が出土しており、古墳群の築造時期の一端を示す資料と考えられる。第1号墳は大型の円墳、第2号墳はややいびつな円墳である。どちらの古墳の墳丘上にも石材の露出がみられないことから、木棺直葬墳群であると考えられる。
■場所
大きな地図で見る